言葉をつむぐ「心が伝わる話し方教室」主宰の松本尚子です。
これまで私がみなさんにお伝えしてきた「耳で聞いただけで聞き取りやすい話し方のスピード」は80文字を15秒です。
ところが、最近は1.5倍速や2倍速にして聴く方が増えています。時間の有効活用、ゆっくり聴いていいる時間がないなどが主な理由とのこと。
これについては、Clubhouse内でたくさんのアナウンサーが集まった部屋で議論になったことがあります。私たちはどう対応していけばいいのかと。
結論は「これまで通り、私たちは老若男女にきちんと伝わる速さで伝えるべきだ。もし速く聴きたい方は機械でやればいい。」というものでした。
勿論、私もそう思いますし、異論はありませんでした。
でも、先日のナレーション依頼をお受けした時に少し考えが変わりました。というより、新しい考えが生まれたました。
今回のご依頼は完成している動画に合わせてナレーションを入れて欲しいというものでした。つまり、私の読みの速さや間に合わせることはできないということです。
やってみると速い速い。勿論普段から滑舌は鍛えているので読めるのですが、ナレーションとはという意味で葛藤もあり、クライアントさんに連絡しました。
すると、最近は早口のナレーションが増えていますとのこと。
ある人に話すと、その方も1.5倍で聴いているとのこと。2倍と3倍の音源を送ってくれました。3倍は聞き取れませんでしたが、2倍までなら何とか。そして2倍までは自分もナレーションできました。
ただ、これまで何十年もかけて間を勉強してきた身としては、間を大切にしたいという思いとの葛藤がありますね。
その方が仰いました。「機械で早口にしたものは機械的な話し方だ。」と。「もし、生身の人間が1.5倍や2倍で最初から読んでいたら人間的なナレーションになるかもしれないし、そこに価値観が生まれるかもしれない。」と。
確かにそれは言えるかもしれない。間が難しいけれど。
新しいナレーションの需要に応えていかないといけないのかもしれないですね。
